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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻4号

1986年04月発行

文献概要

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編集後記

著者: 西沢譲

所属機関:

ページ範囲:P.464 - P.464

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 Ⅱbの診断については,本誌でも既に3回目の企画である.そのたびごとにⅡbの定義が問題になった.臨床と肉眼標本と切片断面の所見が一致しないからである.胃癌の初期像という観点からは,組織発生からみればⅡbは5mm以下の微小癌の中にほとんど入ってしまうし,臨床の極限を極めたいという意味からは,5mm以上の病変でも診断の非常に難しいⅡbあるいはⅡbに近いもの(類似Ⅱb)がある.浸潤範囲の難しいものと言えば,もう1つ随伴Ⅱbが入ってくる.

 今回の特集では,肉眼所見,切片断面所見ともにかなり統一されたⅡb病変が集められている.臨床所見も,負けずにそれなりの工夫と眼によって術前に捉えられている.このあたりを中心にⅡb病変あるいは類似Ⅱb病変と決めてもよさそうな気がする.もっと平坦なものを探すのもよいが,逆に甘いほうには厳しくしたいものである.少なくとも,臨床的にみてⅡbあるいは類似Ⅱbと言えば,それだけで深達度はmでなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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