文献詳細
文献概要
今月の主題 早期胆嚢癌―その診断の進歩 主題
早期胆嚢癌の診断への歩みと現状
著者: 竹本忠良1
所属機関: 1山口大学医学部第1内科
ページ範囲:P.475 - P.481
文献購入ページに移動要旨 多少とも,組織だった早期胆囊癌診断学の研究は,まだ始まったばかりであるが,特に超音波検査法の発達・普及につれて,胆道系疾患の研究者の関心は,いま早期胆嚢癌の術前診断に向けられている.この論文では,その歩みを文献的考察を中心にして,編年的に追求してみた.現状としては,ある大きさ以上の隆起型の早期胆囊癌症例は,術前にもかなりの程度まで診断が可能になってきたと言えよう.しかし,それもたかだかこの2,3年間の出来事である.そしていま,早期胆囊癌診断を主な目標とした幾つかの新しい診断方法が出現している.この現状をみると,わが国における早期胆囊癌診断学の確立に,どうやら明るい灯が見えてきたと言えるだろう.しかし,小さい隆起型や平坦型の診断を考えると,まだ気が遠くなる思いをしている.
掲載誌情報