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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻5号

1986年05月発行

文献概要

今月の主題 早期胆嚢癌―その診断の進歩 主題

早期胆嚢癌の定義と病理形態学的特徴

著者: 渡辺英伸1 鬼島宏1 内田克之1 近藤公男1 岩渕三哉1

所属機関: 1新潟大学医学部第1病理

ページ範囲:P.483 - P.495

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要旨 早期胆囊癌46例(53病変)を用いて,その定義,病理形態学的特徴および肉眼的鑑別診断を検討した.全例にリンパ節転移,脈管侵襲を欠き,4年間に癌再発(死亡)例がなかった.肉眼型では隆起型が26%,表面型が74%で,陥凹型は認められなかった.有茎Ⅰ型は特徴的肉眼像を呈し,腺腫内癌であった.Ⅱb型が40%,肉眼型の複合型が49%を占めた.癌の表面粘膜像は大部分で乳頭状,凹凸のある粗大顆粒状~結節状,半光沢・褐色調であり,Ⅱb型癌5病変では平坦・平滑~微細顆粒状,褐色調であった.仮定した早期胆囊癌の定義“癌の深達度が粘膜内または固有筋層までの癌で,RAS内進展は粘膜内進展とみなす”は妥当であった.癌は肉眼的特徴を有しており,85%で肉眼診断が可能であることより,その特徴は術前診断に有用と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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