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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻5号

1986年05月発行

文献概要

今月の主題 早期胆嚢癌―その診断の進歩 主題

超音波内視鏡による早期胆嚢癌診断への期待

著者: 野口隆義1 相部剛1 富士匡1 竹本忠良1 天野秀雄1

所属機関: 1山口大学医学部第1内科

ページ範囲:P.507 - P.514

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要旨 われわれは早期胆囊癌の術前診断を最大目標としたうえ,胆囊隆起性病変や慢性胆囊炎を精査する方法として超音波内視鏡検査(endoscopic ultra-sonography;EUS)を導入した.その結果,胆囊隆起性病変ではコレステロールポリープが3型のエコーパターンで描出されることを明らかにした.また,腺腫および腺筋腫は充実性エコー内に無または低エコー領域の散在像として描出されることから,コレステロールポリープと鑑別することが可能になった.更に,胆嚢切除標本との対比から,EUSで描出される正常胆嚢壁の3層構造の組織構築を明らかにしたうえで,慢性胆嚢炎の形態診断を確実にした.以上の検討から,従来の画像診断法では術前診断が困難な隆起型および平坦型早期胆嚢癌に対して,EUSは侵襲の少ない唯一の精査法として大きな期待をかけることができると結論した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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