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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻5号

1986年05月発行

文献概要

症例

著明な改善を認めたCronkhite-Canada症候群の1例

著者: 熊本隆1 春間賢1 隅井浩治1 隅岡正昭1 上村直実1 清水秀明1 田利晶1 ハミド・タヒール1 梶山梧朗1 頼岡徳在2 日高徹3 横田幸弘4

所属機関: 1広島大学医学部第1内科 2広島大学医学部第2内科 3安佐市民病院放射線科 4厚生連広島総合病院内科

ページ範囲:P.551 - P.558

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要旨 著明な改善を認めたCronkhite-Canada症候群の1例を報告する.患者は64歳,男性.下腿浮腫の主訴にて当科受診.四肢の爪の萎縮があり,直腸脱も認めた.検査所見では著明な蛋白尿と低蛋白血症,糖質脂質の吸収不良があった.125I-PVPテストは陰性.消化管X線検査にて胃および大腸に多数のポリープが認められた.大腸ポリープには組織学的に同症候群に一致するポリープのほかに,腺腫と過形成性ポリープとが混在していた.直腸脱の組織はsolitary ulcer (mucosal prolapse) syndromeに相当するものであった.腎生検にて膜性糸球体腎炎と診断しmethylprednisoloneによるパルス療法を実施.約8か月後に蛋白尿の改善と胃・大腸ポリープの著明な減少を認めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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