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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻5号

1986年05月発行

文献概要

症例

胃巨大絨毛様腫瘤に癌性変化をみたCronkhite-Canada症候群の1例

著者: 内田康文1 木須達郎1 森久男1 山岡宏太郎1 原田貞美2 溝口哲郎2 山本裕士2 久次武晴2 下釜達朗3 渡辺照男3 山家滋4

所属機関: 1佐賀医科大学消化器内科 2佐賀医科大学外科 3佐賀医科大学病理 4九州大学医学部第1内科

ページ範囲:P.559 - P.563

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要旨 患者は59歳,女性.浮腫,爪萎縮,脱毛があり,精査のため入院.著明な低蛋白血症(T.P3.7g/dl),貧血(Hb3.1g/dl)を認めた.125I-PVP test 4.6%と蛋白漏出を示し,胃透視,内視鏡所見より,胃全体に大小不同の隆起性病変が密集し,十二指腸管腔への絨毛状腺腫を思わせる手拳大の腫瘤が嵌頓.生検により癌が疑われ,開腹術を施行し腫瘤(10×8cm,160g)を摘出.組織所見は,腫瘤の大部分は,Cronkhite-Canada症候群の特徴的病理所見である間質の増大,浮腫,腺管の嚢胞状拡張を持ち,一部に高分化型腺癌がみられ癌への移行を思わせた.これまで本症候群と癌の合併は12例報告され,癌化に関しては賛否両論があるが,自験例を経験し本症候群の癌化は十分ありうると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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