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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻5号

1986年05月発行

文献概要

症例

胃形質細胞腫の1例

著者: 牧野正人1 竹林正孝1 日前敏子1 木村修1 西土井英昭1 貝原信明1

所属機関: 1鳥取大学医学部第1外科

ページ範囲:P.569 - P.574

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要旨 患者は55歳女性で心窩部痛を主訴とし,Borrmann4型胃癌の診断で当科を紹介された.入院時検査では貧血以外特に異常は認められず,胃全摘術,膵脾合併切除術が施行された.術後組織学的検討にて形質細胞腫が疑われ,組織酵素抗体法を施行したところIgG一κ型の軽鎖を産生する形質細胞腫と診断された.腫瘍細胞内免疫グロブリンが証明された症例は現在まで欧米例を含め14例あるがIgG型が7例,IgA型が7例と多発性骨髄腫に比べIgA型の発生頻度が高い.これは消化管に分泌性IgAが多いことと一致し興味深い.また,病勢に伴い血清中にM蛋白,免疫グロブリン異常が認められた症例が本邦例18例中8例あり,これらが病勢の指標となりうる可能性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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