icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻6号

1986年06月発行

今月の症例

大腸生検にて結核菌が証明された腸結核

著者: 渕上忠彦1 小島進1 岩下明徳2

所属機関: 1松山赤十字病院消化器科 2松山赤十字病院病理

ページ範囲:P.588 - P.590

文献概要

 〔症例の見どころ〕腸結核のX線検査による臨床診断は比較的容易であるが,典型的X線像を呈しても特に抗結核剤にて加療された症例は病理組織学的に腸結核の確定診断が得られることはまれである.本症例も術後の病理学的検索では腸結核としての確定的所見は得られなかったが,加療前に施行された大腸生検にて結核菌が証明され腸結核と確診された症例である.

 患者は38歳,女性.2年前より時々腹痛が出現していた.数か所の病院を受診するも腹痛の原因は不明であった.当科にて腸結核と診断し抗結核療法(SM,INH,RFP)を3か月間施行したが,狭窄症状が出現してきたため手術された.入院時,赤沈値50/90mm,CRP3+,便結核菌培養(5日間)陰性,Mantoux反応強陽性であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら