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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻6号

1986年06月発行

今月の主題 大腸生検の問題点―炎症性疾患の経過を中心に

主題

虚血性大腸炎および抗生剤起因性大腸炎と生検

著者: 針間喬1 由村俊二1 安武隆二郎1 内田善仁1 宮原妙子1 有馬功三良1 河村幸子1 松浦伸二郎1 大谷達夫1 水町宗冶1 岡紳爾1 松田和也1 柳井秀雄1 野村幸治1 河野裕1 藤川佳範1 川嶋正男1 藤田潔1 竹本忠良1 渡辺英伸2

所属機関: 1山口大学医学部第1内科 2新潟大学医学部第1病理

ページ範囲:P.623 - P.632

文献概要

要旨 虚血性大腸炎(IC)54例と,抗生剤起因性大腸炎(AAC)40例について,生検診断能と生権組織の経時的変化について検討した.発症3日以内の生検で,31例中26例(84%)がICと診断できた.しかし,日数の経過と共に生検診断率は低下し,8日以上経過した13例では,1例しか組織診断できなかった.ICは急性粘膜病変であり,生検材料が粘膜下層を含まなくても約80%が病理組織学的に診断された.再生上皮が出現した生検標本ではICの病理組織像を保持したものは少なかった.AACの病理組織像はICに類似しているが,一般に炎症の程度が歩く,散在性発赤だけを認めた4例では生検診断できず,発症3日以内の生検群16例中9例(56%)がAACと診断されたにすぎなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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