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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻6号

1986年06月発行

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海外文献紹介「慢性B型肝炎患者における肝細胞癌の早期発見―追跡調査」 フリーアクセス

著者: 種広健治1

所属機関: 1愛知県がんセンター第1内科

ページ範囲:P.664 - P.664

文献概要

Early detection of hepatocellular carcinoma in patients with cbronic type B hepatitis―A prospective study: Liaxv, Y-E, Tai D-1, et al (Gastroenterology 90: 263-267,1986)

 無症候性HBs Agキャリアー,慢性肝炎,肝硬変,肝癌はHBウイルス感染による一連の続発症と考えられ,追跡調査によりHBs Agキャリアーと肝硬変が肝癌のハイリスク群であることが示された.しかし,慢性肝炎の経過を追い,肝癌の発生を調べた研究は現在まで見当たらない.

 著者らは,臨床病理学的に診断した慢性B型肝炎で,HBs Ag陽性者432名と,対照のHBs Ag陰性者105名を対象として,3~6か月ごとの,血清αフェトプロテイン(AFP)と腹部超音波検査(US)により肝癌のスクリーニングを行った.6~85か月(平均26.9±16.8か月)の調査期間中に,AFP上昇が契機となり6名,USにより2名,計8名の無症候性肝癌が,HBs Ag陽性群から発見された. これを計算すると, 年間発生頻度は826/100,000で,35歳以上に限れば,768/100,000となり,文献上,無症候性HBs Agキャリアーにおける頻度よりかなり高くHBs Ag陽性の肝硬変と同じ頻度であった.また,HBs Ag陰性群からの肝癌の発生は1例で,HBs Ag陽性群と陰性群における肝癌発生リスク比は2,35歳以上に限ると5となった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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