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海外文献紹介「消化管の末梢血管拡張症に対する内視鏡的レーザー治療」
著者: 伊藤慎芳1
所属機関: 1関東逓信病院消化器内科
ページ範囲:P.678 - P.678
文献購入ページに移動Endoscopic laser treatment for gastrointestinal vascular ectasias: Cello JP, Grendell JH (Ann Int Med 104: 352, 1986)
消化管の末梢血管拡張症は遺伝性出血性末梢血管拡張症をはじめ,心臓弁膜症や慢性腎不全患者において,また特に基礎疾患のない場合でも高齢者に認められることがある.そして,これが上部および下部消化管出血の原因ともなることが報告されている.著者らは1982年2月から1985年3月までに出血源と考えられた43例の消化管の末梢血管拡張症に対してアルゴンまたはNdYAGレーザーによる内視鏡的治療を行った.
患者は男性27例,女性16例,平均年齢は73歳であった.病変部位は右側結腸に最も多く,以下,横行結腸,左側結腸,胃,十二指腸の順に多かった.約90%はアルゴンレーザーを用いて,1回の内視鏡検査で治療可能であった.検査時に出血していたのは7例で,このほか5例はレーザー治療の際に出血したが,更に治療を続けることにより止血した.また平均392日の経過観察期間で22例が再出血した.これについて7例は更にレーザー治療を行い,5例は手術を行い,残りの症例は輸血,鉄剤投与を行った.
消化管の末梢血管拡張症は遺伝性出血性末梢血管拡張症をはじめ,心臓弁膜症や慢性腎不全患者において,また特に基礎疾患のない場合でも高齢者に認められることがある.そして,これが上部および下部消化管出血の原因ともなることが報告されている.著者らは1982年2月から1985年3月までに出血源と考えられた43例の消化管の末梢血管拡張症に対してアルゴンまたはNdYAGレーザーによる内視鏡的治療を行った.
患者は男性27例,女性16例,平均年齢は73歳であった.病変部位は右側結腸に最も多く,以下,横行結腸,左側結腸,胃,十二指腸の順に多かった.約90%はアルゴンレーザーを用いて,1回の内視鏡検査で治療可能であった.検査時に出血していたのは7例で,このほか5例はレーザー治療の際に出血したが,更に治療を続けることにより止血した.また平均392日の経過観察期間で22例が再出血した.これについて7例は更にレーザー治療を行い,5例は手術を行い,残りの症例は輸血,鉄剤投与を行った.
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