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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻6号

1986年06月発行

文献概要

研究

経時的にみた虚血性大腸炎の臨床病理学的検討

著者: 堀向文憲1

所属機関: 1東京医科大学第4内科

ページ範囲:P.679 - P.688

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要旨 種々の理由で腸切除が行われた虚血性大腸炎11例を用いて,同疾患の経時的変化を病理形態学的に検討し,その病型分類を試みた.また同疾患の特徴の1つである縦走性潰瘍の成り立ちについても言及した.病型は,びまん出血期,多発びらん期および潰瘍期に3大別された.潰瘍期は更に活動性潰瘍期,治癒進行性潰瘍期および治癒潰瘍期(潰瘍瘢痕期)に亜分類できた.活動性潰瘍期は発症後4日目と12日目の例にみられ,結腸紐上に沿う縦走潰瘍を伴っていた.治癒進行性潰瘍期は19日目と25日目に,治癒潰瘍期は46日目の例から認められた.縦走潰瘍は,初回発症時に形成される揚合と,多発びらんの融合・進展にて形成される揚合の2過程が考えられ,両者は初回の虚血の程度差によると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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