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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻7号

1986年07月発行

文献概要

今月の主題 膵の囊胞性疾患―その診断の進歩 主題

膵の囊胞性疾患の診断―CTを中心に

著者: 宮下正1 内藤厚司2 鈴木敞1 戸部隆吉1

所属機関: 1京都大学医学部第1外科 2国立八目市病院外科

ページ範囲:P.735 - P.743

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要旨 代表的な膵囊胞性疾患のX線CT像を呈示し,炎症性膵囊胞では特に治療上に占める役割を,腫瘍性囊胞では鑑別診断上の問題点をそれぞれ中心に述べた.急性膵炎に対して発症直後から膵仮性囊胞に至るまでの経過を客観的に追跡する画像診断法としてCTは最も優れており,時機の問題を含めた適切な治療法を決定するうえでも多くの情報を得ることができる.慢性膵炎に伴う囊胞は,ときとして膵癌に付随する囊胞との鑑別が重要である.腫瘍性膵囊胞は狭義の囊胞腺腫,囊胞腺癌以外にもsolid and cystic acinar cell tumorやラ島腫瘍など様々の二次性囊胞形成性膵腫瘍を念頭に置く必要がある.これらの鑑別に当たって,腫瘍内部の変性壊死による二次性囊胞形成か否かを確かめることが診断上の1つの着眼点であり,このためには単純CT,造影CTに加えてUSとのdiscrepancyに着目することが重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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