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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻7号

1986年07月発行

文献概要

今月の主題 膵の囊胞性疾患―その診断の進歩 主題

―最近注目されている膵の囊胞性腫瘍―粘液産生膵癌―予後の良い膵癌

著者: 大橋計彦1 村上義史1 竹腰隆男1 高木国夫2 柳沢昭夫3 加藤洋3

所属機関: 1癌研究会附属病院内科 2癌研究会附属病院外科 3癌研究会附属病院病理

ページ範囲:P.755 - P.766

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要旨 粘液産生膵癌とは“癌の産生する粘液が膵管内に充満して主膵管が拡張し,乳頭の腫大,開口部の開大を起こし,粘液の排泄が観察されるもの”である.その組織型は様々であるが,自験例7例と症例報告15例,合計22例を集計してみると,その特徴が明らかになった.特異な乳頭所見,ERP像のほかには,①60,70歳台の男性に多いこと,②膵炎の既往がある例が4例あった,③アミラーゼ値上昇,耐糖検査異常,胃X線検査での圧排像が約半数にみられた,④US,CTでは膵管拡張,囊胞と診断され,血管造影では膵周囲の血管の圧排所見のみられた例が多かった,⑤病変部は膵頭部が76.2%を占めて,膵頭十二指腸切除されたものが多く,予後は5年生存例3例を含めて良好であった.以上が粘液産生膵癌の特徴である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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