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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻7号

1986年07月発行

文献概要

症例

多発性過形成性胃ポリープに併存したⅠ型早期胃癌(有茎性ポリポイド癌)の1例

著者: 横田欽一12 折居裕1 斉藤裕輔1 芦田知史1 峯本博正1 小西行夫1 藤沢純爾3 岡村毅与志4 水島和雄4 並木正義4 佐藤冨士夫5

所属機関: 1旭川厚生病院内科 2現 札幌医科大学第2病病理 3旭川厚生病院外科 4旭川医科大学第3内科 5勤医協中央病院病理科

ページ範囲:P.791 - P.797

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要旨 低頻度ながら,過形成性ポリープと鑑別の難しいポリポイド癌(過形成性ポリープの癌化ではない)がある.われわれは,このようなポリポイド癌と多発性過形成性ポリープとが同一胃に併存していた興味ある1例を経験した.患者は65歳の女性.胃前庭部に9個の隆起性病変を認め,うち1個から生検でGroupⅤが得られた.この病変は径1.6cmの山田Ⅳ型の隆起性病変であり,胃X線および内視鏡所見上良性ポリープとみなしうるものであった.ただ,ほかのポリープと比べると表面はより平滑で,暗赤色調が強く,血のにじむような微細な発赤がみられ,生検時硬い印象があった.病理組織学的にはΩ型の粘膜筋板を有する(ポリポイド癌)深達度mの乳頭状腺癌であった.他はすべて過形成性ポリープであった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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