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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻7号

1986年07月発行

文献概要

症例

胃壁硬化が軽度な状態で診断された胃体部スキルス(linitis plastica型胃癌)の1例

著者: 岡村正造1 山本義樹1 浅井俊夫1 船川武俊1 越知敬善1 大橋信治1

所属機関: 1豊橋市民病院内科

ページ範囲:P.799 - P.804

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要旨 患者は59歳,女性.約4年前より糖尿病にて通院中,貧血(浮遊感)を来し入院.体重減少なく,栄養良.一般検査上,貧血(RBC:229×104,Hb:6.7g/dl)以外異常なし.X線,内視鏡検査で体下部前壁にⅡc様陥凹を認め,その口側と大彎側の雛襞は軽度の肥厚と直線化や鋭利な屈曲蛇行を示し,同部に伸展障害を認めた.小彎側の雛襞は陥凹部に集中するも大彎側からの雛襞集中像はなかった.胃全摘術を施行,病理学的にはsig,SSγ,1y2,v0,n1(+),n2(-)であった.原発巣(長径2cm,Ul-Ⅱ)は胃底腺領域内にあり,癌が胃体部前壁のほぼ全域(14×6.5cm)の粘膜下層以下に線維化を伴いつつ浸潤するスキルス(linitis plastica)であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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