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今月の主題 胃癌肉眼分類の問題点―進行癌を中心として 序説
胃癌肉眼分類の問題点―誤解と混乱
著者: 市川平三郎1
所属機関: 1国立がんセンター
ページ範囲:P.827 - P.829
文献購入ページに移動胃癌をその肉眼的形態から分類しようとする試みは古くから行われており,実際に数多くの分類があった.しかし,1962年,日本の胃癌研究会発足当時に採用されたBorrmann分類は,目本における胃癌研究が世界をリードするにつれて,Borrmannの故国ドイツにおけるより以上に,世界中に拡まっていった.この分類が比較的簡単で使いやすいためであろう.
ちょうど同じころ,1962年に早期胃癌の肉眼分類が日本内視鏡学会の分類委員会で,内科,放射線科,外科,病理など各分野の専門家の合意で制定され,激しい議論の末,胃癌研究会でも承認された.そして,この分類も急速に世界の専門家が使用するようになり,大いに普及した.胃癌研究会が出版している胃癌取扱い規約の改訂版にも採用されて,早期胃癌を0型とし,1型から4型まではBorrmann分類に準じて分類をし,分類不能のものを5型としてある.
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