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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻8号

1986年08月発行

今月の主題 胃癌肉眼分類の問題点―進行癌を中心として

主題

胃癌肉眼分類の問題点―視座を変えて

著者: 中村恭一1

所属機関: 1筑波大学基礎医学系病理

ページ範囲:P.841 - P.850

文献概要

要旨 胃癌は大きく早期癌と進行癌とに分類され,それぞれが更に幾つかの類に分けられているが,それは癌の状態像{肉眼型,深達度}による分類であって,純形態的な型分類ではない.そのため実際の場面では分類困難な場合が生じる.なぜならば,肉眼型の分類は癌の深達度および大きさとは無関係に,相似側に基づいてなされるからである.例えばⅠ型とBorrmann1型,Ⅱc+Ⅱa型とBorrmann2型とは形は相似だが,癌の深達度と大きさは異なっている.純形態的な観点からは,胃癌肉眼型分類においては癌深達度を除外せねばならない.胃癌の肉眼型は,胃癌の三角{発生の揚,組織型,発育進展様式}によって決定される.この関係に基づいて,現在の早期癌肉眼分類をそのまま進行癌に適用するのも1つの方法である.癌原発巣の状態像{肉眼型,深達度,大きさ}は,原発巣のステージ分類とすることも考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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