icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻8号

1986年08月発行

今月の主題 胃癌肉眼分類の問題点―進行癌を中心として

主題

胃癌肉眼分類の問題点―早期胃癌類似進行癌を中心として

著者: 紀藤毅1 山村義孝1

所属機関: 1愛知県がんセンター外科第3部

ページ範囲:P.879 - P.883

文献概要

要旨 深達度がpm以上になってもなお早期胃癌の癌型を保っている症例がみられ,これらの203例を早期胃癌類似進行癌として検討した.また,pmについては肉眼的に早期癌と鑑別不可能なpm1と鑑別可能なpm2とに亜分類した.早期胃癌肉眼分類に準じて分類した肉眼型は,Ⅱc139例,Ⅱc+Ⅲ48例であり,ⅡcとⅡc+Ⅲとで187例(92.1%)を占めている.組織型を高分化型,低分化型とに2大別した内訳は,高分化型65例,低分化型127例であり,低分化型が多かった.間質結合織量の多いスキルスが60例(29.6%)にみられた.治癒切除例のリンパ節転移率は,pm1 11.8%,pm2 43.2%,ss 43.7%,se 56.8%であり,5生率はそれぞれ98.0,89.7,80.7,69.8%であり,深達度につれて低下しているがBorrmann型と比べて高率であった.以上,早期胃癌類似進行癌には多くの特徴がみられるので,これらを1つの症例群として独立させることは有意義である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら