文献詳細
今月の主題 胃癌肉眼分類の問題点―進行癌を中心として
主題
文献概要
要旨 深達度がpm以上になってもなお早期胃癌の癌型を保っている症例がみられ,これらの203例を早期胃癌類似進行癌として検討した.また,pmについては肉眼的に早期癌と鑑別不可能なpm1と鑑別可能なpm2とに亜分類した.早期胃癌肉眼分類に準じて分類した肉眼型は,Ⅱc139例,Ⅱc+Ⅲ48例であり,ⅡcとⅡc+Ⅲとで187例(92.1%)を占めている.組織型を高分化型,低分化型とに2大別した内訳は,高分化型65例,低分化型127例であり,低分化型が多かった.間質結合織量の多いスキルスが60例(29.6%)にみられた.治癒切除例のリンパ節転移率は,pm1 11.8%,pm2 43.2%,ss 43.7%,se 56.8%であり,5生率はそれぞれ98.0,89.7,80.7,69.8%であり,深達度につれて低下しているがBorrmann型と比べて高率であった.以上,早期胃癌類似進行癌には多くの特徴がみられるので,これらを1つの症例群として独立させることは有意義である.
掲載誌情報