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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻8号

1986年08月発行

症例

高度のリンパ管侵襲のため深達度と浸潤範囲の判定が困難であった胃癌の1例

著者: 原口勝1 岡村健1 是永大輔1 平本陽一朗1 辻谷俊一1 玉田隆一郎1 杉町圭蔵1 北川晋二2 井口潔3

所属機関: 1九州大学医学部第2外科 2九州大学医学部放射線科 3佐賀県立病院好生館

ページ範囲:P.909 - P.913

文献概要

要旨 患者は61歳男性.心窩部不快感を主訴とし,胃X線検査で前庭部の胃小区の不整と壁の硬化像を認め,内視鏡検査で前庭部に全周性の胃粘膜の発赤,粗糧と幽門近くの小彎側後壁に小さな浅い陥凹がみられ,Ⅱc型早期胃癌と診断された.1983年6月24日胃部分切除術が施行され,口側切除線は前庭部の粗縫な胃粘膜領域から7.5cm離し,S0P0H0N0でR2のリンパ節郭清が行われた.組織学的には,粘膜層は印環細胞癌で,粘膜下層への直接浸潤が一部にみられたが,リンパ管侵襲が高度であり,このため癌は漿膜に達し(se),更に口側へは粘膜下層以下を浸潤し,口側断端浸潤陽性(ow(+))であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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