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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻9号

1986年09月発行

文献概要

今月の主題 潰瘍性大腸炎と大腸癌 主題症例

高齢発症の潰瘍性大腸炎にみられたadenomatous changeを伴う大腸癌の1例

著者: 阪本康夫1 上田進久1 藤田昌英1 梁昌煕1 田口鐵男1 石黒信吾2 谷口春生2

所属機関: 1大阪大学微生物病研究所臨床部門外科 2大阪府立成人病センター病理

ページ範囲:P.973 - P.978

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要旨 高齢者発症の全大腸炎型潰瘍性大腸炎の長期経過後にdysplasiaを伴う大腸癌の発生を認めた1例を報告する.患者は78歳男性.50歳ごろ潰瘍性大腸炎の発症を認め,慢性持続性の経過を持つ.激しい粘血下痢にて来院し,精査にて直腸および横行結腸に癌を認め,全結腸直腸切除術を施行した.切除大腸の病理学的検索の結果,直腸にⅡa+Ⅱc様の形態を示す中分化腺癌を認め,横行結腸から上行結腸にかけて結節隆起性ないし顆粒状の高分化腺癌を認め,いずれの癌も周辺粘膜に顆粒状を呈する異型腺管の増殖を認めた.この病変はRiddellの言うvillous mucosa,adenomatous changeに相当した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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