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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻9号

1986年09月発行

今月の主題 潰瘍性大腸炎と大腸癌

主題症例

潰瘍性大腸炎と大腸癌―自験例3例の病理学的検討を中心に

著者: 今村秀1 森正樹1

所属機関: 1九州大学医学部第2病理

ページ範囲:P.979 - P.985

文献概要

要旨 潰瘍性大腸炎と癌の合併は,欧米では多くの報告があるのに比し,本邦では遭遇する機会が比較的少ない.当教室で検索された大腸癌症例1,744例の中に確実に潰瘍性大腸炎を合併したものは3例みられた.3例とも長い臨床経過を有し病理学的に広範な潰瘍性大腸炎を伴っていた.このうち2例は癌多発例,残り1例は癌単発例であり,従来言われてきた潰瘍性大腸炎に合併する癌の病理学的特徴のうち幾つかを備えていた.3例中2例にdysplasiaに当たる上皮の変化が部分的に認められたが癌との関係を論ずるには更に症例の集積を要すると考えられる.high iron diamine染色の結果はdysplasiaにおける粘液変化が単一のものではないことを示した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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