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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻9号

1986年09月発行

症例

消化管病変としてアフタ様潰瘍のみを認めたCrohn病の1例

著者: 平川雅彦1 飯田三雄1 南部匠1 重松明博2 黒岩重和2 藤島正敏1

所属機関: 1九州大学医学部第2内科 2九州大学医学部第2病理

ページ範囲:P.1015 - P.1019

文献概要

要旨 患者は29歳男性.下痢,腹痛,体重減少を主訴として入院した.入院時,白血球増多,CRP陽性,血沈元進などの炎症所見を認めた.検便では潜血陽性で,虫卵,原虫は認めず,便培養では有意な菌は検出されなかった.消化管X線検査,内視鏡検査では胃前庭部から大腸まで広範囲に散在するアフタ様潰瘍を認めた.S状結腸および胃前庭部からの生検で非乾酪性類上皮細胞性肉芽腫が認められ,Crohn病と診断した.経管成分栄養にて臨床所見と腸管病変の改善を認めていたが,1年後には腸管病変の再発,痔痩の出現を認め現在治療中である.本例は通常みられるCrohn病の肉眼形態とは異なり,アフタ様潰瘍のみを消化管病変としていた点で非定型的であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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