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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻1号

1987年01月発行

症例

直腸のⅡa型早期癌の1例

著者: 阿部荘一1 白形彰宏1 吉田邦夫1 卜部健2 中川高志2 ニツ木浩一2 石井勝2 関根毅3 須田雍夫3 田久保海誉4 高山昇二郎4

所属機関: 1埼玉県立がんセンターX線診断科 2埼玉県立がんセンター消化器科 3埼玉県立がんセンター腹部外科 4埼玉県立がんセンター病理部

ページ範囲:P.85 - P.89

文献概要

要旨 症例は77歳の女性.25年前,子宮頸癌にて放射線治療を受けている.主訴は下痢.大腸内視鏡検査で肛門縁より15cmの部位に発赤した扁平隆起性病変を認め,生検で癌が証明された.その後に行った注腸検査でも,直腸S状部に9mm大の扁平な病変を認めた.新鮮切除標本上では,8×5×0.2mmの,高さの極めて低い発赤した病変であった.完全連続切片の組織学的検討では,深達度mの高分化腺癌で,腺腫性腺管は認められなかった.そこでこのⅡa型早期癌は,denovo発生と考えられた.また本例は,良い注腸検査をすれば,このような規模の小さな癌でも拾い上げ可能なことを示唆したものと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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