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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻1号

1987年01月発行

文献概要

症例

術前診断ができた胃glomus腫瘍の1例

著者: 佐藤治1 石崎敬2 後藤昌司1 石川洋子1 小岡文志1 鈴木昇1 小野満1 村田栄治3

所属機関: 1岩手県立中央病院消化器科 2岩手県立中央病院病理科 3村田消化器内科医院

ページ範囲:P.91 - P.97

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要旨 患者は33歳,女性.現病歴は1984年1月ごろから部位不定の不快感を覚えるようになり,某院受診し胃X線検査にて前庭部の変形を指摘され,2月20日当科紹介となる.胃X線および内視鏡検査にて前庭部大彎側に,表面中央にびらん形成のある半球状隆起病巣を認めた.病巣の高周波切開,hot biopsyによる生検組織検査施行.大小種々の拡張した血管周囲に,明胞体を有する円形の腫瘍細胞が好銀線維に数個ずつ取り囲まれるように配列しておりglomus腫瘍と診断した.われわれの検索しえた範囲では,本症例は本邦で41例目に当たり,術前に性状診断ができたのは本邦最初の症例と思われる.患者の希望にて胃切除術施行,病巣は前庭部大彎にあり,大きさ27×24×10mm,粘膜下層から筋層にかけて存在していた.電顕所見では細胞間にdesmosomはなく基底膜で隔てられ,明るい細胞質にはmitochondriaが多数存在し,核周囲にはmyofilamentがあり,その中にdence bodyを認めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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