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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻10号

1987年10月発行

文献概要

今月の主題 胃のDieulafoy潰瘍 主題

統計を主としたDieulafoy潰瘍93症例(本邦報告例)の臨床的分析

著者: 田中昌宏1 荒井博義1 木村健1

所属機関: 1自治医科大学消化器内科

ページ範囲:P.1125 - P.1133

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要旨 Dieulafoy潰瘍症例は,本邦において過去に128例が報告されたが,記載内容が正確で信頼に値しうるのは93例で,吐下血,吐血,下血などで発症し,半数以上が出血性ショックに至る重篤な疾患である.40~60歳台に好発し,性比は3.2:1で男性優位,発生頻度は出血性胃病変の概ね1.1~9.4%,病変は胃上部1/3の小彎,前後壁に好発する.切除胃61病変の実測値の平均では,粘膜欠損は7.8×7.8mm大(Ul-Ⅱ以下),破綻動脈径は1.4mmである.内視鏡による術前正診率は74%,術中胃切開の正診率は75%である.手術施行60症例中,救命例は75%,内視鏡的止血37症例中78%は止血に成功している.診断および治療成績を向上させることが今後の課題と言えよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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