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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻10号

1987年10月発行

今月の主題 胃のDieulafoy潰瘍

主題

臨床よりみたDieulafoy潰瘍―診断を中心に

著者: 橋本光代1 福地創太郎1 早川和雄1 吉田行哉1 海上雅光2 原満2

所属機関: 1虎の門病院消化器科 2虎の門病院病理学科

ページ範囲:P.1135 - P.1141

文献概要

要旨 Dieulafoy潰瘍は,上部消化管出血の原因として頻度は少ないものの,その急激な変化のため,的確な診断を早急につける必要がある.また,最近内視鏡的止血法の発達により保存的な止血の可能性もあり,その診断における内視鏡の意義は大きい.Dieulafoy潰瘍は胃体上部の小彎近くの前後壁を好発部位とし,Ul-Ⅱの小さな浅い潰瘍の中に太い血管による小隆起を有し,潰瘍周囲にconverging foldや,周堤や,明らかな再生の反応を伴わないことが内視鏡的特徴である.Dieulafoy潰瘍の本態は,粘膜下層を異常走行する太い動脈と思われるが,その異常動脈の太さ,およびその血管の上の浅い粘膜欠損の大きさなどについて,未だ一定した基準はない.Dieulafoy潰瘍が自然止血を繰り返して長い経過をとったり,また今後内視鏡的止血法などにより,潰瘍および血管に急性期と異なる変化が加わってくる可能性があると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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