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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻10号

1987年10月発行

文献概要

今月の主題 胃のDieulafoy潰瘍 主題症例

Dieulafoy潰瘍の典型例と考えられる手術例―血管構築からみた検討

著者: 比企能樹1 塚本秀人1 上野総一郎1 金田悟郎1 大島行彦2 岡安勲3

所属機関: 1北里大学医学部外科 2上尾中央総合病院外科 3東京医科歯科大学医学部病理

ページ範囲:P.1165 - P.1168

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要旨 特に前もって症状を認めず,突然の大量吐血で発症したDieulafoy潰瘍が,入院後,一時は保存的治療で治癒させることができるかと考えられたが,結局初回出血から6日目に再吐血を認めた.このときの出血は大量で血色素の低下も急激に進行し,輸血に対する反応も弱かったので緊急手術(胃全摘術)を行った.病理学的検索によれば,5.0×4.0mmの小さな浅いUl-Ⅱの潰瘍で,底部にはmedia厚70~120μmの太い動脈がsubmucosal layerに斜走し,先端は粘膜欠損部にて破綻を来していた.連続切片による血管構築を行ってDieulafoy潰瘍と判断した.なお,局所にはmicroaneurysmの所見はみられなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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