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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻10号

1987年10月発行

今月の主題 胃のDieulafoy潰瘍

主題症例

Dieulafoy潰瘍の1手術例

著者: 岡村正造1 浅井俊夫1 山口初宏1 大橋信治1 三竹正弘1 越知敬善1 室博之2 佐野光一2

所属機関: 1豊橋市民病院内科 2豊橋市民病院病理

ページ範囲:P.1173 - P.1177

文献概要

要旨 患者は63歳,男性.主訴は吐下血.7年前に原因不明の下血あり.1984年4月突然心窩部痛が出現し,その翌日吐下血があり入院した.入院時のHb値は12.7mg/dlで翌日の内視鏡検査にて体中部前壁に皺襞集中の明らかでない露出血管が目立つ浅い小潰瘍を認めた.cimetidineの経静脈的投与にて出血の兆候なく,第4病日の内視鏡検査では潰瘍は指摘できなかった.しかし第5病日に再び下血し,Hb7.4g/dlまで低下した.第6病日の内視鏡検査では初回と同じ部位に露出血管のある浅い小潰瘍を再び認めた.HS-E局注法を試みたが完全には止血せず第8病日に胃亜全摘出術を実施した.切除標本で胃体部前壁に径6mmの浅い小潰瘍を認め,その底部に径3mmの露出血管:を認めた.組織学的には浅いUl-Ⅱの潰瘍で胃底腺粘膜内にあり,粘膜下層に筋性中膜の発達した径約1.5mmの太い動脈を認めDieulafoy潰瘍と診断した.術後約3年を経過したが再吐下血はない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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