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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻10号

1987年10月発行

文献概要

今月の主題 胃のDieulafoy潰瘍 主題症例

Dieulafoy潰瘍の治験例

著者: 羽白清1 辻村大次郎1 松井洋勝1 汐見幹夫1 阿部秀幸1 大杉誠1 加減秀樹1 石井望人1 山田哲1 吉田初恵1

所属機関: 1近畿大学医学部第2内科

ページ範囲:P.1182 - P.1186

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要旨 内視鏡的にDieulafoy潰瘍と診断し,胃切除または内視鏡的止血法により治療した7症例を提示した.大量出血のため緊急胃切除を要した初期の2症例の内視鏡所見は,胃体部の噴出性出血と浸出性出血であったが,切除胃にそれぞれ1.0mmと1.9mm径の破綻動脈を伴う小びらんを認めた.1980年以後の5例では内視鏡的バイポラー電気凝固法により止血した.なお初回止血時に12歳の女性では,6年後同様の誘因により大量出血を来し再止血を要した.Dieuiafoy潰瘍の臨床像,発生部位,内視鏡所見は孤在性出血性の急性胃粘膜病変に類似し,有効な内視鏡的止血法が発達した今日,出血血管の組織学的検索は行い難く,その独自性の立証は困難となっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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