文献詳細
今月の症例
文献概要
〔患者〕64歳,女性.1982年1月心窩部不快感が出現したため,国立がんセンター内科外来を受診し,CEAの高値を指摘され精査の目的で入院した.なお,喫煙歴はなく,虫垂切除歴もなかった.
〔注腸X線所見〕充盈像〔Fig. 1)において盲腸下極に陰影欠損を認め,虫垂は造影されなかった.腹臥位二重造影像(Fig. 2)でも虫垂は造影されず,虫垂付着部と思われる部位を中心に頭外側に向かって内腔に突出する隆起性病変が認められた.隆起性病変は半球状を呈し,大きさは基底側で58mmであった.表面の性状は平滑であり,陥凹や分葉傾向は認められなかった.しかし,病変の表面を詳細に読影すると,Fig. 3a~dで示すように病変の中ほどに全周性に,1本の溝が取り巻くように認められ,あたかも病変がはち巻きを締めているような形態を示していた.周囲の盲腸粘膜は正常であり,伸展不良や変形像は認められなかった.また,回盲弁の下唇は盲腸側から圧排されていたが,粘膜の不整は認められなかった.なお,体位変換や圧迫を加えても虫垂は造影されなかった.
〔注腸X線所見〕充盈像〔Fig. 1)において盲腸下極に陰影欠損を認め,虫垂は造影されなかった.腹臥位二重造影像(Fig. 2)でも虫垂は造影されず,虫垂付着部と思われる部位を中心に頭外側に向かって内腔に突出する隆起性病変が認められた.隆起性病変は半球状を呈し,大きさは基底側で58mmであった.表面の性状は平滑であり,陥凹や分葉傾向は認められなかった.しかし,病変の表面を詳細に読影すると,Fig. 3a~dで示すように病変の中ほどに全周性に,1本の溝が取り巻くように認められ,あたかも病変がはち巻きを締めているような形態を示していた.周囲の盲腸粘膜は正常であり,伸展不良や変形像は認められなかった.また,回盲弁の下唇は盲腸側から圧排されていたが,粘膜の不整は認められなかった.なお,体位変換や圧迫を加えても虫垂は造影されなかった.
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