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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻11号

1987年11月発行

文献概要

今月の主題 消化管のアミロイドーシス(1) 主題

消化管アミロイドーシスの診断過程

著者: 吉田隆亮1 坂本英典1 原口靖昭1 比嘉昭彦1 大門佳弘1 板野晃也1 野田寛1 神戸光1 田仲謙次郎1

所属機関: 1宮崎医科大学第1内科

ページ範囲:P.1229 - P.1237

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要旨 全身性アミロイドーシスの消化管病変について,自験例44例の分析を中心に臨床症状,他覚所見,徴候および臨床検査成績を検討した.消化管へのアミロイド沈着は極めて高率にみられるが,直ちに消化器症状,合併症を惹き起こすとは限らない.悪心・嘔吐,腹部膨満,腹痛,下痢などは必ずしも消化管アミロイドーシスに特異的なものではない.しかし,心不全,肝腫,慢性腎不全,蛋白尿,貧血,赤沈促進などの多彩な臨床像に上記症状,あるいは麻痺性腸閉塞,消化管出血が合併する場合には消化管アミロイドーシスの可能性が強く示唆される.最終診断は胃,直腸生検によるが,麻痺性腸閉塞の発現,または腸管の異常ガス集積像は非特異的臨床像の中で,特に全身性アミロイドーシスの消化管浸潤を示峻する一診断指標と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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