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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻11号

1987年11月発行

文献概要

今月の主題 消化管のアミロイドーシス(1) 主題

消化管アミロイドーシスの病理

著者: 内野文彌1 権藤俊一1 岩田隆子2

所属機関: 1山口大学医学部病理学第1講座 2山口大学医療技術短期大学部

ページ範囲:P.1239 - P.1245

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要旨 全身性アミロイドーシスにおいて消化管は腎や脾と同様あるいはそれ以上にアミロイドの沈着頻度が高い.消化管におけるアミロイド沈着は主に中小の血管壁,特に粘膜下層の血管壁にみられ,粘膜固有層,粘膜筋板や固有筋層間にも沈着する.血管壁はアミロイド沈着によって脆弱化し,消化管出血を起こす.粘膜固有層,粘膜筋板や固有筋層に多量に沈着したり,あるいはアミロイド沈着によって自律神経が障害されると消化管の運動機能の低下が起こり,胃腸障害,特に頑固な下痢が出現する.本症の診断は主として胃や直腸などの生検によって確定する以外に方法はない.本症は症状が多彩であるため念頭にないことが多いが,臨床医は本症の可能性を思いつき病理組織診断の依頼をし,病理医も本症を念頭に置いて生検標本を検鏡する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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