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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻11号

1987年11月発行

文献概要

今月の主題 消化管のアミロイドーシス(1) 主題

消化管アミロイドーシスの生検診断

著者: 岩下明徳1 飯田三雄2 渕上忠彦3 岩下俊光4 橋本洋4 重松明博2 川元健二5 村山寛6

所属機関: 1松山赤十字病院病理 2九州大学医学部第2内科 3松山赤十字病院消化器科 4九州大学医学部第2病理 5松山赤十字病院放射線科 6福岡大学医学部第1病理

ページ範囲:P.1287 - P.1299

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要旨 全身性アミロイドーシス生検42症例と剖検22例の消化管病変について,病理組織学的立場から検討した.生検全例に消化管へのアミロイド沈着があり,部位別沈着頻度は十二指腸に100%と最高で,空腸94.4%,胃前庭部93.3%,直腸88.6%,胃体部88.4%,食道80%,結腸77.8%,回腸50%の順であった.沈着程度の高度のものは前二者に多い.各部位別生検標本数に対するアミロイド陽性率は空腸,十二指腸,胃前庭部に高く,見逃し率は十二指腸,空腸で低かった.剖検全例にも消化管へのアミロイド沈着を認め,上記全部位で沈着頻度は100%であった.沈着程度の高度のものは十二指腸,空腸,胃前庭部に多く,沈着は粘膜下層上部と粘膜深層に強かった.以上の結果から本症の生検部位は十二指腸,胃前庭部,空腸が最適であることを指摘し,本症の早期診断の必要性についても簡単に触れた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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