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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻11号

1987年11月発行

文献概要

研究

全身性アミロイドーシスにおける胃のアミロイド沈着について―特に生検診断のために

著者: 崔進1 佐野健司1 馬場健1 渡辺正秀1 発地雅夫1

所属機関: 1信州大学医学部第2病理

ページ範囲:P.1300 - P.1304

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要旨 全身性アミロイドーシスの診断に有用な胃生検の部位,数およびその深さを決定するために,全身性アミロイドーシス4例(原発性アミロイドーシス1例,骨髄腫に合併したアミロイドーシス1例,家族性アミロイドーシス2例)を検索した.各症例の胃をすべてパラフィンブロックにして,切片を作製し,コンゴーレッド染色とその偏光による観察によってアミロイドの沈着を確認した.4例ともアミロイドの沈着は粘膜下組織に最も顕著で,次いで固有筋層,粘膜筋板,粘膜固有層,漿膜の順であった.粘膜筋板では,いずれの部位にも沈着があり,実際の生検診断に当たっては,胃粘膜筋板まで採取すれば一応その目的を達成することができる.粘膜固有層および粘膜筋板へのアミロイド沈着は胃体部と幽門部に多く,その程度も強い傾向にあり生検時に胃体部から幽門部にかけて,全周の粘膜を数か所採取すればほぼ適当であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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