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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻11号

1987年11月発行

文献概要

症例

術前に診断しえた虫垂粘液囊腫の1例―注腸X線,大腸内視鏡,CT所見について

著者: 早坂隆1 桑原慎一1 武田良一1 木山善雄1 佐々木由理1 斎藤弘1 小田潔2 伊藤哲夫3

所属機関: 1函館中央病院内科 2函館中央病院外科 3市立札幌病院病理

ページ範囲:P.1305 - P.1309

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要旨 術前に診断しえた虫垂粘液囊腫の1例を報告した.注腸X線検査では盲腸内側下極寄りに外側から半径1.5cmの半円状の陰影欠損がみられ1~2本のひだが同定された.虫垂は造影されなかった.大腸内視鏡検査では同部に半径1.5cmの半球状の黄色調隆起がみられ,隆起表面に全周性にわたり一条のひだがみられた.粘膜面は正常であった.CT検査では回盲部に一致して壁の石灰化を伴った囊胞がみられた.以上の所見より虫垂粘液囊腫と診断,手術を施行した.CT検査で回盲部に壁の石灰化を伴ったcystic massがみられた場合,注腸X線検査および大腸内視鏡検査で盲腸の隆起粘膜表面に円形のひだを同定することが,虫垂粘液囊腫の術前診断には重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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