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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻11号

1987年11月発行

文献概要

症例

胃梅毒の1例

著者: 米原秀幸1 藤原秀文1 村田裕彦1 石田豊1 佐倉幸子1 小早川隆1 中條進1 高橋勲1 鈴木強2 安井弥3 森正樹4 丸屋博4

所属機関: 1広島共立病院内科 2広島共立病院外科 3広島大学医学部第1病理 4広島大学医学部放射線科

ページ範囲:P.1310 - P.1314

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要旨 胃梅毒は比較的珍しい疾患であるが,近年,本邦では増加傾向にあると思われる.しかし,問題点としては悪性疾患との鑑別が困難であるということが挙げられる.患者は32歳,男性.嘔気,上腹部痛を主訴として,1985年10月中旬当院を受診した.X線検査,内視鏡所見より,スキルス型胃癌が疑われ,生検時の捺印細胞診にてもclass4であった.しかし,病理組織学的には悪性所見は認められず,また,梅毒血清反応が強陽性と判明したため,胃梅毒の可能性も考え駆梅療法を施行することとした.治療開始後1か月後には症状,内視鏡所見の改善を認めたため,われわれは本症例を胃梅毒と診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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