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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻11号

1987年11月発行

文献概要

症例

十二指腸球部に発生した迷入膵を伴う異所性胃粘膜の1例

著者: 宮内洋子1 後藤春彦1 阿部親司1 高橋洋一1 澤田重樹1 鈴木雅雄2 土井偉誉2 宇野郷三3 種村廣巳3 大橋広文3 国枝篤郎3 坂田一記3 池田庸子4 下川邦泰4

所属機関: 1慈朋会澤田病院内科 2岐阜大学医学部放射線科 3岐阜大学医学部第2外科 4岐阜大学医学部第2病理

ページ範囲:P.1315 - P.1319

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要旨 40歳男性.上部消化管X線および内視鏡検査にて十二指腸球部前壁に約3cm大の隆起性病変を認めた.同所からの生検所見は胃体部腺組織であったが,粘膜下腫瘍の存在も疑われ,潰瘍化の可能性を考慮し,手術を施行した.切除標本の肉眼的所見では,2.8×2.6×1.2cm大の黄白色の腫瘤が粘膜下に認められ,それを乳頭状に隆起した粘膜が覆っていた.組織学的に粘膜は主細胞,壁細胞を有する胃体部腺組織であり,粘膜下から漿膜下にかけての腫瘤には外分泌腺,導管およびランゲルハンス島から成る完全な膵組織を認め,発生原因として先天説が裏づけられる極めてまれな1例であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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