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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻11号

1987年11月発行

文献概要

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編集後記

著者: 喜納勇

所属機関:

ページ範囲:P.1330 - P.1330

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 アミロイドーシスと聞くと,多くの内科医・病理医(ないし病理学者)は興味を持ったことがあるはずだ.病理を始めて数年の間は,アミロイドーシスの解剖というと大いに張り切って調べたものだ.しかし,重点は心・肝・腎などの実質臓器であり,消化管のほうは二の次であったように記憶している.ましてや,生検診断やX線診断の立場から剖検例を調べるということはなかった.

 今回の特集で,全身性アミロイドーシスにおける消化管のX線・内視鏡・病理像の特徴が浮き彫りにされたようである.病理の立場からは,何よりも臨床診断にアミロイドーシス(の疑い)と記入していただきたい(ただし濫発は禁物).筆者は臨床診断にアミロイドーシスと記入のない胃や腸の生検にアミロイド沈着を見つけることを趣味として(度が過ぎるとoverdiagnosisをするから要注意),年に千件以上あらゆる科の症例を1人で検鏡している.病理医には,臨床診断への記入が注意を換起する最も良い方法である.また,岩下らの論文にあるように,この疾患を疑ったら,直腸のみならず胃・十二指腸も生検していただきたいものである.それでもなお見逃すのであったなら,病理認定医の資格を剥奪されても仕方あるまい.しかし実際には,誰でもわかるようなアミロイド沈着を見逃した場合,臨床側は静かに親切に(怒らずに)指摘してあげたほうが効果的である.普通の病理医であれば,恥じて二度とそのような見逃しはしないであろうし,かえって消化管アミロイドーシスに興味を持ち始めるきっかけにさえなるからである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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