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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻12号

1987年12月発行

文献概要

今月の症例

結腸型虫垂癌の1例

著者: 縄野繁1 牛尾恭輔1 山田達哉1 吉田茂昭2 板橋正幸3 廣田映五3

所属機関: 1国立がんセンター放射線診断部 2国立がんセンター内視鏡部 3国立がんセンター研究所病理

ページ範囲:P.1338 - P.1340

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 〔患者〕76歳,男性.主訴:下腹部痛.

 〔注腸X線所見〕仰臥位二重造影像(Fig. 1)では,盲腸盲端部の前壁に25mm大の隆起性病変が認められる.その腫瘤の先端には半球状の突出部がみられ,表面は結節状である.やや角度を変えた二重造影像(Fig. 2)では,突出部の中央に陥凹が認められ,結節も明瞭である.Fig. 3,4は先端突出部にバリウムを溜めた腹臥位二重造影像である.中央部の縦長の陥凹が明瞭であり,この突出部は上皮性の悪性腫瘍であると考えられる.一方,腫瘍基底部の粘膜には幾重にも重なる輪状影がみられ,その表面が平滑であることより粘膜下腫瘍の形態も伴っていると考えられる.以上より,盲腸粘膜下に虫垂原発の癌が存在し,腫瘍の一部が盲腸内腔に露出していると診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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