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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻12号

1987年12月発行

今月の主題 早期食道癌の問題点

主題

表在性食道癌肉眼分類の新しい提案―病理の立場から

著者: 井手博子1 村田洋子1 奥島憲彦1 金原文英1 羽生富士夫1 山田明義2

所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター外科 2東京女子医科大学消化器放射線科

ページ範囲:P.1369 - P.1376

文献概要

要旨 第41回食道疾患研究会で示された新しい表在癌肉眼型分類(案)は表在隆起型(0-Ⅰ),表在平坦型(0-Ⅱ),表在陥凹型(0-Ⅲ)の3基本型から成る,今回各型の分類基準を探るため,癌腫の粘膜面からの凹凸の程度を自験例未治療切除表在癌120例について検討した.sm癌は2mm以上の隆起例は56/99(56%),1~0.5mm例33/99(34%),1mm以上の陥凹例10/99(10%),mm癌は1~0.5mmの凹凸例16/16(100%),ep癌は1~0.5mmの凹凸例5/5(100%)であった.0-Ⅱ型にep~mm癌は含まれると仮定し,その基準を癌巣の高低でみたところep~mm癌は1~0.5mm内の凹凸に含まれた.癌巣の高さが2mm以上を0-Ⅰ型,凹みが1mm以上を0-III型とすると,0-Ⅱ型の5生率は95.1%で,0-Ⅰ型55.3%,0-Ⅲ型43.0%に比し良好であった.この基準に従えば胃の早期癌に匹敵する肉眼型は0-Ⅱ型(粘膜癌とこれに類似するsm癌)がこれに相当するものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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