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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻12号

1987年12月発行

文献概要

今月の主題 早期食道癌の問題点 主題

食道表在癌肉眼分類の新しい提案―病理の立場から

著者: 西巻正1 渡辺英伸2 田中乙雄1 佐々木公一1 武藤輝一1

所属機関: 1新潟大学医学部第1外科 2新潟大学医学部第1病理

ページ範囲:P.1377 - P.1383

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要旨 食道表在癌48症例62病変を用いて,食道表在癌の肉眼分類を提案すると共に,その特徴を検討した.食道表在癌の肉眼型は早期胃癌分類に準じて病変の高低差でⅠ型(隆起型),Ⅱa型(表層隆起型),Ⅱb型(平坦型),Ⅱc型(表層陥凹型),Ⅲ型(潰瘍型)の5型に分類できた.本分類は癌深達度とよく相関し,Ⅰ型は100%sm癌であった.Ⅱa型では72.7%がsm癌で隆起病変は癌のsm浸潤を示唆する所見であった.Ⅱb型は7.7%がsm癌であったのに対し,Ⅱc型では40%がsm癌であった.陥凹病変も癌のsm浸潤を疑わせる所見であった.今回の検討ではⅢ型は認められなかった.本分類に病変部の肉眼表面構造を加味することで一層正確に癌の深達度を推定することが可能であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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