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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻12号

1987年12月発行

文献概要

研究

現行の早期食道癌定義上の問題点―食道表在癌といわゆる早期胃癌およびpm胃癌との病理組織学的比較検討

著者: 五関謹秀13 小池盛雄2 滝澤登一郎2 丸山道生12 吉田操1 粟根康行1 岩塚迪雄1

所属機関: 1東京都立駒込病院外科 2東京都立駒込病院病理科 3東京医科歯科大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1429 - P.1436

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要旨 癌の進展様式は癌細胞自体の性格のみならず,発生した場の組織構築によっても著しい差を生ずる.食道壁は胃壁とは異なり,粘膜固有層内でも脈管が発達している.そこで早期食道癌の定義を検討する目的で,食道表在癌21病巣,早期胃癌448例,pm胃癌109例を対象とし詳細な病理組織学的検索を行った.〔成績〕n(+),ly(+),v(+),の頻度をみると,特に食道sm癌では各々30.8%,84.6%,84.6%で,胃pm癌の38.5%,91.7%,70.6%に近い値を示し,他方,食道ep癌,mm癌は,胃m癌,sm癌での頻度に近似していた.〔結果〕食道壁と胃壁の構造の差から,早期胃癌の深達度をsmまでと定義するならば,食道ではmmまでを早期食道癌として扱うべきことが示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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