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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻12号

1987年12月発行

文献概要

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書評「DSA-Digital subtraction Angiography」

著者: 河野通雄1

所属機関: 1神戸大学

ページ範囲:P.1441 - P.1441

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 日常診療において血管造影を必要する疾患は少なくないが,従来“最終診断法”として行われることが多かった.それは検査に際して,前処置,後処置をはじめ,手技がやや繁雑なこと,造影剤を比較的大量に用いるのでその副作用などの問題もあり,血管造影は侵襲性の高い検査という考え方がその根本にあったからであろう.低侵襲性検査を意図して考案されたDSA(Digital Subtraction Angiography)の登場はこのような意味合いから画期的な進歩をもたらしたと言える.

 現在DSA装置は中小医療機関まで普及しているとは言えないが,画像を見る機会は増えており,本書は,初めて本法を学ぶ人達にとっても十分理解できるように配慮され,装置の基本,臨床応用における利点と限界,フィルム・サブトラクションとの対比,造影剤に関する基礎的問題点から,頭頸部,心臓,肺血管,腹部動静脈,骨盤領域,末梢血管におけるDSAの臨床的評価,更には,computed radiographyを用いたDSAの新しい分野にわたって解説されている.編集を担当された大阪大学小塚教授はcardiovascular radiologyにおいて,また慶応義塾大学平松助教授はangiographyの領域ではそれぞれ世界的に名の知られた大家であり,分担執筆された筆者もわが国の医学放射線学会で活躍中の気鋭で,しかも従来からの血管造影を経験され,DSAの利点,欠点を十分に理解された方々ばかりである.美しい写真も豊富で,臨床にたずさわる人々にとって,“こんなcaseではどうする”といったときに役立つ本と言える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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