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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻2号

1987年02月発行

文献概要

今月の主題 陥凹型早期胃癌の深達度診断 主題

臨床病理学的にみた陥凹型胃癌の粘膜下組織浸潤

著者: 斎藤洋子1 石堂達也1 中村恭一1

所属機関: 1筑波大学基礎医学系病理

ページ範囲:P.129 - P.134

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要旨 癌の状態像のうち,術前のX線・内視鏡検査により客観的に把握しうる4つの要素{存在部位,大きさ,肉眼型,組織型}から,sm浸潤の確率的推定について検討した.各要素をそれぞれ存在部位{F線外部領域,F線内部領域},肉眼型{陥凹型,隆起型},組織型{未分化型癌,分化型癌}とに分類した(胃癌の三角).更に,8通りの胃癌の三角に癌の大きさ{~2cm,2.1cm~}を組み合わせて個々の胃癌の三角のsm浸潤率をみることによって,次のような結論が得られた.すなわち,(1)F線内部領域における陥凹性病変は未分化型癌で,癌の大きさとは無関係に70%以上はsm浸潤がある,(2)F線内部領域における陥凹性病変では常にLinitis Plastica型癌を念頭に置くべきである,(3)F線外部領域の陥凹型を示す癌のsm浸潤率は癌組織型よりも癌の大きさと相関していて,大きさ2cm以下ではsm浸潤30~40%,2.1cm以上では70~80%である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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