icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻2号

1987年02月発行

今月の主題 陥凹型早期胃癌の深達度診断

主題

陥凹型早期胃癌の内視鏡的深達度診断―X線検査との対比を含めて

著者: 早川和雄1 橋本光代1 吉田行哉1 星原芳雄1 山田直行1 伊藤喜一1 福地創太郎1 惣名司2 七海暁男3 海上雅光4

所属機関: 1虎の門病院消化器科 2虎の門病院内視鏡室 3虎の門病院放射線診断学科 4虎の門病院病理学科

ページ範囲:P.143 - P.160

文献概要

要旨 陥凹型早期胃癌311病変,および陥凹型進行癌478病変について,術前のX線および内視鏡診断と病理組織学的診断を対比すると共に,X線および内視鏡フィルムの見直しを行い,胃癌の深達度診断の可能性と限界を追求した.また,内視鏡による深達度誤診例を病理組織学的に検索し,深達度診断に関与する諸因子につき検討した.陥凹型全胃癌に対する内視鏡の深達度誤診率は8.1%,X線の誤診率は8.7%で,著明な差はなく,早期癌と進行癌に分けても,両者に著明な差はなかった.内視鏡フィルムの見直しにより,全早期癌の約92%を,全進行癌の約96%を正診しうる可能性が推定された.内視鏡で進行癌を早期癌と誤診した病変の約25%は,X線検査が進行癌と正診し,内視鏡の誤診をカバーしうる可能性を示唆した.しかし,逆に内視鏡で正診し,X線が深達度を誤る例もあった.内視鏡で早期癌を進行癌と誤診した原因の85%は,潰瘍化に伴う強い線維化と,sm深層まで強く浸潤した癌によるものであった.他方,進行癌を早期癌と誤診した主な原因は,sm,pmに少量の癌細胞が散在性に浸潤することにあった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら