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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻2号

1987年02月発行

今月の主題 陥凹型早期胃癌の深達度診断

主題

陥凹型早期胃癌の深達度診断―超音波内視鏡の適応

著者: 相部剛1 野口隆義1 大谷達夫1 中田和孝1 藤村寛1 伊藤忠彦1 富士匡1 河村奨2 岡崎幸紀1 竹本忠良1

所属機関: 1山口大学医学部第1内科 2山口労災病院内科

ページ範囲:P.161 - P.167

文献概要

要旨 早期胃癌の深達度診断を,X線,内視鏡,超音波内視鏡(EUS)とで比較検討した.32症例の早期癌において,正診率はX線で62%,内視鏡で63%,EUSで69%であった.32症例中16例が陥凹型早期癌で,この型における正診率は,X線,内視鏡ともに53%,EUSでは71%であった.陥凹型早期癌におけるEUSの誤診の唯一の理由は,超音波画像上で粘膜下層を中断させた,併存潰瘍による線維化に起因した.retrospectiveにみると,エコー上での中断した粘膜下層先端の形を検討することにより,線維化の存在はEUSで診断可能であることが明らかとされた.すなわち,中断した粘膜下層の先端における,粘膜側への“引きつけ”,“先細り”“凸状”などの形は,線維化を伴った症例に特徴的であった.更に,エコー上での筋層は,粘膜下層に線維化を持つ例では変化なく,筋層にまで到達した線維化例では,筋層の低エコー腫脹,粘膜側への引き上げなどの変化がみられた.線維化合併例におけるm癌とsm癌とのエコー上での鑑別は,腫瘍を疑わせるmass lesionが病変部の辺縁にみられるかどうかにあると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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