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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻3号

1987年03月発行

文献概要

今月の主題 直腸・肛門部病変の新しい診かた 主題

Crohn病と肛門部病変

著者: 屋代庫人1 飯塚文瑛1 長谷川かをり1 長廻紘1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター内科

ページ範囲:P.261 - P.269

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要旨 Crohn病に合併した肛門部病変について,東京女子医科大学消化器病センターの症例を中心に検討した.Crohn病に肛門部病変を合併した頻度は,筆者らの施設では55%で肛門部病変中71%が痔瘻であった.肛門部病変を合併した患者の61%(Crohn病全体の34%)がCrohn病診断以前に肛門部病変を認めていた.若年者に痔瘻があるときは,積極的な大腸・小腸の検索,病変部の生検が必要である.また,過去に局所手術を受けた24例中8例(33%)が完治をみなかった.手術による合併症は認めなかった.局所手術に関しては,積極的意見,消極的意見の両方があるが,肛門部病変の自然長期予後は悪くはないので,術後の再発率,便失禁,狭窄などの合併症発生の危険を考え合わせると,手術は慎重に行われるべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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