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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻3号

1987年03月発行

文献概要

今月の主題 直腸・肛門部病変の新しい診かた 主題

全身性疾患と直腸・肛門部病変―Crohn病を除く

著者: 棟方昭博1 岩根覚1 中島均1 畑田康政1 佐野正明1 吉田豊1 相沢中2

所属機関: 1弘前大学医学部第1内科 2青森県立中央病院内視鏡部

ページ範囲:P.271 - P.278

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要旨 全身性疾患での直腸・肛門部病変は診断と治療の両面で重要である.診断ではアミロイドーシスの確定には直腸生検が必須である.その際,アミロイドの沈着は血管壁が主体であるため粘膜下層を含めた採取が診断能を高める.アミロイドーシスの内視鏡所見は発赤・びらんなどの所見を呈するとの報告もあるが,教室例では10例中9例に異常がなかった.白血病や骨髄腫などでは免疫能の低下や制癌剤による骨髄抑制のため感染の危険や凝固系の異常による出血などがみられるが,特に肛門周囲膿瘍からの敗血症は致命的なことが多く予防が重要である.直腸の悪性リンパ腫や結核性の直腸・肛門病変では頻度の少なさから診断・治療の遅れを来す恐れがあり,注意深い観察が不可欠である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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