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文献詳細

雑誌文献

胃と腸22巻3号

1987年03月発行

文献概要

今月の主題 直腸・肛門部病変の新しい診かた 主題 肛門部病変のトピックス

急性出血性直腸潰瘍

著者: 広岡大司1 大地宏昭1 岸本明1 田根順次1 斉藤元泰1

所属機関: 1岸和田徳洲会病院内科

ページ範囲:P.297 - P.302

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要旨 急性出血性直腸潰瘍13例について,臨床像と内視鏡の特徴について述べた.急性出血性直腸潰瘍は重症基礎疾患を有する高齢者に,突然無痛性の新鮮下血で発症する急性の直腸潰瘍である.基礎疾患としては脳血管障害8例(脱水症,肺炎合併各1例)大腿骨頸部骨折に肺炎合併2例,心不全に肺炎合併1例,血液疾患に肺炎合併1例,糖尿病性ケトアシドーシス1例の13例で脳血管障害に合併することが多く,基礎疾患に肺炎を合併した重症例が4例あった.原因は脳血管障害および重症基礎疾患に起因するストレス潰瘍説が有力と考えられた.内視鏡所見の特徴は歯状線直上の下部直腸に限局する浅い不整形,地図状ないし帯状の横軸に長い潰瘍で管腔の1/3周ないし全周に達する点にある.治療は全身状態と関係するが,止血さえ得られると潰瘍の経過は良好である,最近,血管露出例の2例に対し,アルコール止血を行ったが著効を示した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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